我が国の超高層ビルの曙は、昭和43年に完成した霞ヶ関ビルに始まり、以来、浜松町の世界貿易センタービル、新宿副都心の京王プラザホテルと相次いで超高層ビルが完成しました。現在、都内においては超高層ビルが林立し、それぞれが地域の新たなランドマークとなり、その都市景観は変貌しつつあります。
そこで建築物と地質のふれあいを「超高層ビルの地質と基礎形式」というタイトルで国内外の事例についてお届けいたします。
事例1:霞ヶ関ビル
建築概要及び地質と基礎形式
名 称:霞ヶ関ビル
場 所:東京都千代田区霞ヶ関
竣 工:昭和43年
階 数:地上36階、地下3階
地 上 高:147m
床 づ け:GL-23m
支持地盤:東京レキ層
基 礎:直接基礎(布基礎)
設計耐力:100t/m2
平均接地圧:35t/m2(排土:32.2t/m2)
事例2:世界貿易センタービル
建築概要及び地質と基礎形式
名 称:世界貿易センタービル
場 所:東京都港区浜松町
竣 工:昭和45年
階 数:地上40階、地下3階
地 上 高:152m
床 づ け:GL-18.7m
支持地盤:東京レキ層
基 礎:直接基礎(ベタ基礎)
設計耐力:100t/m2
平均接地圧:38t/m2(排土:33.4t/m2)
事例3:京王プラザホテル
建築概要及び地質と基礎形式
名 称:京王プラザホテル
場 所:東京都新宿区西新宿
竣 工:昭和46年
階 数:地上47階、地下3階
地 上 高:169.7m
床 づ け:GL-19.9m
支持地盤:東京レキ層
基 礎:直接基礎(ベタ基礎)
設計耐力:直接基礎(ベタ基礎)
平均接地圧:43.6t/m2(排土:38.6t/m2)
事例4:国際通信センタービル
建築概要及び地質と基礎形式
名 称:国際通信センタービル
場 所:東京都新宿区西新宿
竣 工:昭和49年
階 数:地上32階、地下3階
地 上 高:151.2m
床 づ け:GL-19.9m
支持地盤:東京レキ層
基 礎:直接基礎(ベタ基礎)
設計耐力:100t/m2
平均接地圧:51.3t/m2(タワー部)
事例5:新宿三井ビル
建築概要及び地質と基礎形式
名 称:新宿三井ビル
場 所:東京都新宿区西新宿
竣 工:昭和49年
階 数:地上55階、地下3階
地 上 高:210.2m
床 づ け:GL-17.0m
支持地盤:東京レキ層(一部コンクリート置換)
基 礎:直接基礎(ベタ基礎)
設計耐力:100t/m2
平均接地圧:45.3t/m2
事例6:Ratu Plazaビル
建築概要及び地質と基礎形式
名 称:Ratu Plazaビル
場 所:インドネシア・ジャカルタ
竣 工:昭和53年
階 数:地上30階、地下2階(タワー部)
地 上 高:114m
床 づ け:GL-11.8m
支持地盤:凝灰質泥岩
基 礎:直接基礎(ベタ基礎)
設計耐力:100t/m2
平均接地圧:33t/m2
事例7:OUB Centerビル
建築概要及び地質と基礎形式
名 称:Overseas Union Bank Centerビル
場 所:
シンガポール・ラッフルズプレイス
竣 工:昭和61年
階 数:地上63階、地下4階
地 上 高:280m
床 づ け:GL-17.0m
支持地盤:砂岩、頁岩(ジュロン層)
基 礎:
深礎φ5~6m(礎底φ6.5~11.0m)
深度(95~109m)
先端接地圧:
270~390t/m2(先端支持のみ)
事例8:Sears Tower
建築概要及び地質と基礎形式
名 称:Sears Roebuck and coビル
場 所:
アメリカ・イリノイ州・シカゴ
竣 工:昭和49年
階 数:地上110階、地下3階
地 上 高:442m
支持地盤:
0~110階 岩盤、
0~66階 泥岩(ハードパン)
基 礎:
ケーソン(約5m×5m)約200ヶ
岩盤面深度-30m、泥岩深度(推定)-15m
事例9:サンシャイン・シティ
建築概要及び地質と基礎形式
名 称:サンシャイン・シティ
場 所:東京都豊島区池袋
竣 工:昭和53年
- [オフィス棟]地上60階、地下3階
地上高:226.2m、床付け:GL-23.3m、支持基盤:東京レキ層、基礎:直接基礎(ベタ基礎)、設計耐力:100t/m2、平均接地圧:50t/m2
- [ホテル棟]地上37階、地下4階
地上高:121.6m、床付け:GL-18.5m、支持基盤:砂層(東京層)、基礎:直接基礎(ベタ基礎)、設計耐力:70t/m2、平均接地圧:40t/m2
- [デパート棟(舶来館)]地上11階、地下5階
地上高:44.7m、床付け:GL-26.1m、支持基盤:シルト質粘土層(江戸川層)、基礎:直接基礎(ベタ基礎)、設計耐力:100t/m2、平均接地圧:30t/m2
- [文化会館]地上12階、地下3階
地上高:54.6m、床付け:GL-16.6m、支持基盤:砂~砂レキ層(東京層)、基礎:直接基礎(独立~ベタ基礎使用)、設計耐力:40t/m2、平均接地圧:40t/m2
事例10:ピサの斜塔
建築概要及び地質と基礎形式
名 称:ピサの斜塔
建築開始:1174年
竣 工:1370年(当時の超高層)
階 数:地上7階(鐘楼部)
地 上 高:53.4m
支持地盤:砂層ローム層
基 礎:直接基礎(ベタ基礎)
平均接地圧:5.1kg/cm2(南側9.5kg/cm2、北側0.7kg/cm2)
このトピックスの編集に当たり、下記文献の一部を引用させて頂きました。
- 笹尾 光 超高層ビル支持地盤の長期安定性について
土と基礎 Vol.21 No.6 (社)地盤工学会
- 武藤 清、他 東京における超高層ビルの基礎
土と基礎 Vol.23 No.9 (社)地盤工学会
- Kiso-Jiban Consultants Co.,Ltd "Foundation Study For The Ratu Plaza Project" August,1976
- 赤井浩一 ピサの斜塔裏話、不同沈下
土質工学入門 入門シリーズNo.1 (社)地盤工学会
- T.William Lambe,Rover V.Whitman:Soil Mechanics,1969
- 山田周平 サンシャイン・シティ、地質と調査 1979 創刊号
(社)全国地質調査業協会連合会 (株)土木春秋社
- 高橋敏夫、他 シンガポールに深礎杭の施工
基礎工 Vol.14 No.6 (株)総合土木研究所
- 建築技術編集部 世界最高の超高層建築 Sears Tower
建築技術 1973,3 建築技術社