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技術ニュース85 噴火警報・予報と噴火警戒レベル

日本には110の活火山がありますが、最近では御嶽山や口永良部島の噴火、箱根山の活発化など火山活動に関する話題を聞く機会が多くなってきているように思います。今回は、火山活動にまつわる噴火警報・予報、噴火警戒レベルについて説明します。

1.「噴火警報」・「噴火予報」について (※1)
 噴火警報や噴火予報は、全国の全ての活火山(110火山)を対象として、気象庁が観測・監視・評価の結果に基づいて発表しています。噴火警報のうち、居住地域に影響が大きいと判断される場合には特別警報が発表されます。また、110火山のうち後述する噴火警戒レベルを導入している31火山では、噴火警報や予報に併せて現在のレベル値も発表されます。

2.「噴火警戒レベル」について
2-1.噴火警戒レベルとは?
噴火警戒レベルは、火山活動の状況に応じた警戒が必要な範囲と、防災機関や住民等が取るべき対応について、気象庁が5段階の数値(レベル1~5)で発表する指標です(平成19年12月運用開始)。
2-2.現在レベルが運用されている火山は?
火山噴火予知連絡会が「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として選定した47火山のうち、以下の31火山で運用されています。

噴火警戒レベルを運用中の火山(31火山,H27.9.7現在)
レベル5(避難,1火山) 口永良部島
レベル4(避難準備,なし)
レベル3(入山規制,2火山) 桜島,箱根山
レベル2(火口周辺規制,8火山) 雌阿寒岳,吾妻山,草津白根山,浅間山,御嶽山,阿蘇山,霧島山(新燃岳),諏訪之瀬島
レベル1(活火山であることに留意,21火山) 十勝岳,樽前山,有珠山,北海道駒ヶ岳,秋田焼山,岩手山,秋田駒ヶ岳,安達太良山,磐梯山,那須岳,新潟焼山,焼岳,白山,富士山,伊豆東部火山群,伊豆大島,三宅島,九重山,雲仙岳,霧島山(御鉢),薩摩硫黄島  (霧島山は新燃岳と御鉢の火口別に設定)

なお、レベル1は従来「平常」と表現されていましたが、平成26年9月の御嶽山噴火災害を受けて見直され、平成27年5月から「活火山であることに留意」との表現に改められました。
2-3.どのようにして運用されるの?
 火山活動に応じた避難対策を、地元自治体・関係機関・火山専門家等で構成される「火山防災協議会」等で検討し、それを自治体の地域防災計画に反映した火山について、気象庁との協議を経て噴火警戒レベルの運用が開始されます。

レベル値ごとの対応の程度は、火山活動の傾向や地域特性を考慮して火山毎に設定されるため、例えば、同じレベル2であっても火山ごとに火口からの警戒すべき範囲などが異なります。

最新の噴火警戒レベル設定状況や警戒が必要な範囲は、気象庁ホームページ(ホーム > 知識・解説 > 火山 > 噴火警戒レベル > 火山別に設定された噴火警戒レベルを解説したリーフレット)で確認することができます。

表1 噴火警戒レベルが運用されている
 火山の噴火警報・予報

表2 噴火警戒レベルが運用されていない
 火山の噴火警報・予報

・表1は「特別警報」がレベル4<避難準備>とレベル5<避難>の2区分で、表2は<居住地域厳重警戒>の1区分のみです。また、種別「警報」のキーワードが表1では~規制、表2では~危険と表現されています。
・噴火警報・予報には、表1、表2のほかに海底火山に適用する表があります(噴火警報(周辺海域)、噴火予報の2区分)。
 (表1・表2の記載内容は気象庁資料より引用)

(※1) 噴火警報・予報の導入により、従来用いられてきた緊急火山情報・臨時火山情報・火山観測情報は廃止されました。また、平成15年11月以降、火山活動の程度などを0~5の6段階の数値で表現した「火山活動度レベル」が順次導入されてきましたが、平成19年12月からは その代わりとして「噴火警戒レベル」が運用されるようになりました。

参考:気象庁ホームページ(http://www.jma.go.jp/)など。


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